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伊藤 寿浩
グリーンセンサネットワーク研究所つくば研究所センターセンター長
（産業技術総合研究所） |
技術研究組合NMEMS技術研究機構・つくば研究センターでは、従来より節電や空調・換気制御に有用であることが認識されながら、無線センサ端末化が遅れている電流・磁界センサ，塵埃量センサ，ガス濃度センサを、MEMS技術により大幅に小型化・低コスト化・低消費電力化する研究開発（グリーンMEMSセンサの開発）に取り組むとともに、これらのセンサ、大岡山研究センター中心に開発される自立電源機能、および信号処理や情報伝達用無線機能などを低コストに機能集積化する技術や、グリーンセンサネットワーク端末・システム超低消費電力化技術の開発（グリーンセンサ端末の開発）を実施しています。
本プロジェクトでは、省エネ効果に寄与する普及型の無線センサネットワークシステムの開発を目指しているわけですが、“普及型”（＝“ばら撒ける”）システムを実現するためには、端末の小型化、低コスト化、メンテナンスフリー化が不可欠です。大きな端末は、邪魔であり、“ばら撒く”というイメージで普及させることはできませんし、そもそも高価であり、小さく作ることは低コスト化にも必須です。実は、端末において最も大きくて重い要素は電源であり、大岡山研究センター中心に取り組まれている自立電源の小型化・高効率化も大変重要なのですが、大きな電源が搭載できない以上、端末に搭載される要素デバイスの超低消費電力化も同時に重要となります。
当研究センターでは、従来は少なくともmW級以上の消費電力が必要であった高精度・高感度なセンサや化学量センサを、MEMS技術を最大限活用して100
μW以下に低消費電力化する取組みを行っています。また、電源を効率的に利用したり、超低消費電力で信号処理や無線通信を行ったりするためのグリーンセンサ端末専用のLSIを開発や、従来よりも一桁以上高感度でかつ端末の位置同定ができるような高性能受信機の開発を行っています。さらに、MEMS技術を駆使したウェハレベル集積化・実装技術を開発することにより、世界最小レベルのグリーンセンサ端末（本体）を実現しようとしています。
つくば研究センターは、独立行政法人産業技術総合研究所（産総研）のつくば東事業所内に拠点を置き、産総研の研究者、横河電機（株）、セイコーインスル（株）、オムロン（株）、オリンパス（株）、（株）日立製作所、一般財団法人マイクロマシンセンター、ローム（株）、（株）デンソー、（株）アルバック、大日本印刷（株）、（株）ＮＴＴデータ、ダイキン工業（株）、（株）セブン-イレブン・ジャパンの兼業研究者及び再委託先である東京大学大学院情報数理工学系の交流研究者等のメンバーから構成されています。 |
拠点紹介 
電流・磁界センサ
塵埃量センサ
ＣＯ２濃度センサ
ＶＯＣ濃度センサ
赤外線センサ
クリーンルーム環境に合わせた超小型高効率低照度環境用自立電源の開発